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Cheryl E. Leonard - Schism
¥1,650
長年に渡り自然界の音、構造、物体の調査に注力してきたアメリカの音楽家Cheryl E. Leonardによる本作Aサイドでは、自身のノートパソコン内における微細な明滅音と鳥やコオロギなどの鳴き声を、Bサイドではマイクを仕込んだボトル内での閉塞された祭囃子(のような世界)に微細な物理音を集積しています。封筒に小石とメッセージカード。150本ナンバリング入り。 「私たちを媒介するテクノロジーが、私たちが属している生態系に私たちを結びつける力と、私たちを遠ざける力の両方を持っているとしたら、それは何を意味するのでしょうか」 確かにこれはパンデミック以前の問題ですが、デジタルで生活することの可能性と欠点の両方を語る一連の新しい知識をもって、今私たちが取り組むべき問題なのです。 A.Schism B.Eremozoic https://mappa.bandcamp.com/album/schism http://www.allwaysnorth.com mappa(Slovakia) 2021年5月リリース
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Lucia Nimcová & Sholto Dobie - DILO(Vinyl)
¥3,300
私は全く知らなかったのですが、ウクライナのフロニキー(khroniky)という民謡はとても奇妙な存在です。穏やかなメロディーと暗い暴力の物語が混ざり合っており、苦難、殺人、拷問、収容所での死、大酒飲み、男を出し抜くこと、恋愛などが描かれています。結婚を揶揄する歌も多く、「ポトカ(女性器)の歌」と呼ばれるものもあるそうな。あまりにも下品だと思われたり、政治的に問題のある歌詞が含まれていたりします。歴史的に卑下されてきた少数民族ルシンのルシン文化の一部であり、そこで生まれ育ったフィルマーLucia Nimcováは幼い頃の記憶を頼りに、実感音楽家のSholto Dobieとともに2年以上かけてカルパチア山脈の高地にある村々を訪れ、歌を再発見しこの作品の製作に至りました。 「ルシン族のコミュニティはとても閉鎖的です」「誰かの歌を聴くために、何日も待たなければならないこともありました。とても個人的なことを話してもらう前に、彼らの信頼を得なければなりませんでした。結婚式では朝5時まで起きていて、そのまま朝の洗礼に参加したり、村人たちと一緒に干し草を集めて、作業中に歌ってもらえるようにしたりしました」。 アルバムタイトルである「DILO」は、1939年に赤軍がリヴィウに進駐した際に閉鎖されたウクライナの独立日刊紙にちなんで名付けられ、収録されている4つの長いトラックは、フィールド・レコーディングと歌を融合させたもので、洗練されていない、特権的な私的世界を垣間見ることができます。夏の暑さの中、犬の鳴き声や虫の鳴き声が聞こえてきたかと思うと、ハーディ・ガーディやバイオリンの音色が流れてきたり、悲しげな歌が田舎の背景音の中にそっと響いてくる。 「民族史について考えるとき、感性を持ってそれを記録するためには、多くの時間と愛情と敬意を持たなければなりません」「どの曲も、録音された空間の雰囲気や親密さを持っているので、それらを維持し、一緒に移動することが重要でした。」「キッチンや火のそばなどの家庭内の空間と、市場や牛小屋などの外界との間の旅を導き、時には中断させるものです。金属製の橋やフェンスをコンタクトマイクで録音したり、羊毛加工機を午後に録音したりしました。」 レコーディング中、ルシアはラフなメモや日記を書いていましたが、それらはブックレットの中で歌詞と一緒に紹介されています。大まかな翻訳ですが、これらのフォークソングの言語に潜む深みと驚くべき美しさを明らかにしています。 1.A cook cooked a lovely porridge 2.Materina dúška 3.Sing for myself 4.Cuckoo is cooing, lifeless in a world of misery https://mappa.bandcamp.com/album/dilo mappa(Slovakia) 2021年6月リリース
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Tasting Menu - Stand closer when you have something to say
¥1,540
Tim Feeney率いるexperimentalトリオTasting Menuによる即興物理音楽。個人的に物音というものに最近凝っているのですが、そんな方にうってつけの作品。松ぼっくりやコンクリートの床が好きな人も。 アルバムタイトルのフレーズを一種のテキストスコアとして捉えています。これは、ブルーグラスのワンマイク録音でよく使われる手法にヒントを得たもので、アンサンブルの楽器奏者やボーカリストが曲のリードラインを取り始めるときに、部屋のマイクに体を近づけるというものです。しかしこの場合、演奏者はリードとリズムのアンサンブルの関係を意識するのではなく、部屋の中に存在する他のすべての音を受け入れ、それを単一の全体として聞くという、ゲシュタルトの質感の確立と管理を意識しています。このような設定では、各演奏者は自分の聴取を投影し、ステレオ録音装置で表現された未来のリスナーの想像上の耳に向かって演奏します。各演奏者がその場で効果的にプロデューサーを務めることで、この録音は、グループの即興演奏の典型的な記録というよりも、コラージュ作品に近いものとなっています。 A.While shaking the box B.I heard glass breaking https://mappa.bandcamp.com/album/stand-closer-when-you-have-something-to-say http://www.timfeeney.com/tasting-menu mappa(Slovakia) 2021年4月リリース
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Lina gate - Apex
¥1,430
SOLD OUT
チェコはプラハのハーディ・ガーディ奏者Lina Gateによる人力ドローン。人の声のサンプリングとともに共振し続ける30分×2はさながら曼荼羅で、日本の人の深いところにもきますきっと。瞑想の友、スロヴァキアのmappaより。 1.I 2.II https://mappa.bandcamp.com/album/apex https://linegate.bandcamp.com mappa(Slovakia) 2020年12月リリース
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Andrew Oda - Sotto
¥1,430
アメリカのサウンドアーティストAndrew Odaによる実験作品。ジャケットや映像のとおり、有機的というか生物的な音塊を無から創出したサウンドスケープ。変化する様は粘菌/変形菌のよう。甘美な実態世界を構築した三曲。カセットテープ(実態として)でぜひ。 A.Sotto / Spirit B.Enfold ------- オットー・マルセウス・ヴァン・シュリーク、リュボミール・ポポヴィッチ、ニコル・デュエネビアの絵画にインスパイアされたという本作で、アンドリュー・オダは特定のパルスやビートに支配されない極めて絵画的な音楽を屹立させている。A面の「Sotto/Spirit」で、ジャケットのアートワークの通り生命と自然の営みを逆説的にコンピュータによる合成音のみで描こうとする試みは、その観測不可能なまでのテクスチャーの複雑な溶け合いによってある程度達成されているように思える。観測者の存在などお構いなしに生まれ続ける電子の生命体を私達はただ眺め続けることしかできない。共感を無駄なものとする無慈悲なまでの偶発性。パソコンから広がる緑色のカオス。 B面の「Enfold」では透明な結晶が光を浴びながら空に溶けていくかのような、光り輝く川の中にいるような、そんな掛け値なしのスピリチュアル叙事詩が奏でられる。電子音にピアノ、フルート、フィールドレコーディングが加えられ、物質として還元されたリスナーの魂の表面をなでるだけの強度で流れ続ける。 (ゴイチカリスニングノート) https://mappa.bandcamp.com/album/sotto mappa(Slovakia) 2020年11月リリース