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kumagusu - 処夏神経
¥1,500
SOLD OUT
マスロック/ポストロックの流行から10年以上経ち、都内のロックバンドたちのアンサンブルはそれらの影響を自明としたよりドライでタイトなテイストが主流となっている。さて、その都内で10年以上の活動を「平熱」で続けるオルタナティヴロックバンドKumagusu。バンド名の由来はもちろん粘菌研究で有名な南方熊楠で、ヴォーカルの井上Yはゴヰチカのインストアライブにもソロ出演済み。 ライブにおいても彼らの几帳面で正確な演奏ぶりとヴォーカルの巧さは際立っているが、唐突に飛び出す「俺は精進する」だとか「深夜徘徊楽しい」とかいう歌詞がキザにならないとぼけた脱力感を示している。新たにサックスプレイヤーが加わったことがバンド・ポテンシャルを高めていることは明らかで、ギターソロにも切迫感が加わり、ライブを見たことのない層に対してこの上ない招待状となるだろう。 More than 10 years have passed since the math rock/post-rock craze, and the ensembles of rock bands in Tokyo have become more and more dry and tighter, with the influence of mass rock self-evident. The band's name comes from Minakata Kumagusu, famous for his research on slime mold, and vocalist Y Inoue has already appeared solo at Goichika's in-store shows. In their live performances, their methodical and precise performance and vocal skills stand out, but the lyrics, "I'm going to devote myself," which pop up suddenly, show a sense of deflated humor. The addition of a saxophone player to the band has clearly enhanced the band's potential, and the guitar solos have added a sense of urgency that will be a great invitation to those who have never seen them live. 1. To The Sea 2. Alkali At Night 3. Hot Spring Town 4. Shibahama beach 5. Meaningful 6. Essay 7. Cigarette 8. Wandering 9. Devotion 10. Your Claim ----- 2021年春、深夜の代官山・晴れたら空に豆まいてにて行われたkumagusuの無観客ライブを収めたライブアルバム。 2020年にサックスの富烈が加入し、5人になった新生kumagusuの最初の作品にして、コロナ禍の1年を修行に当てたバンドの進化のお披露目である。 完全無欠のライブバンドとして強固な演奏力を持ち、かつステージ上の酔拳マスター的な面も元々持っていたのかな、それは分からない。分からないからテキトーに言っているだけだが、そこに新たな酔っ払いが加わったことは分かる。一体彼が何を任されているのか、その姿を目にした人はまだごく一部に限られている。 情念、情緒、情景、とにかく「情」が付くもの全部が詰め込まれたような彼らの音楽は、しかし何故かこちらの感情を加速させたりはしない。エモくも、感傷的にするわけでもなく、夏の湿気のようにたゆたい、まとわりついてくる。 写真家・小石清の作品『初夏神経』の1文字が「世の中に出ないで家にいる」という意味を持つ「処」に置き換えられた作品を2021年にリリースする。 初夏の高揚と、それを共有する高揚の両方を、共有することなく自分の住み処へと持ち帰る優しい獣たち。その獣道は未来では心霊トンネルとして語られ、剣菱で消毒され、誰も寄り付かなくなった。伝説の心霊トンネル・処夏神経。そこには<怪異> kumagusuの咆哮がこだましている。 (インフォより) ジャケットはVo井上による蜃気楼を思わせるグラフィック。マルタ十字型ジャケットにメンバーによる手押しスタンプで作成。Ltd.100。ダウンロードコード付き。 1.海まで 2.夜はアルカリ 3.温泉街 4.芝浜 5.有意義 6.エッセイ 7.たばこを 8.彷徨 9.精進 10.あなたの主張 https://kumagusujp.tumblr.com https://kumagusu.bandcamp.com/album/--3 https://joltrecordings.bandcamp.com Jolt! Recordings(Japan) 2021年7月リリース
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The Octopus - Octopus Tapes
¥1,500
人は「存在」と繋がっている時期がある。 The Octopusこと和泉雄彦という1987年生まれの宅録作家によって2007年ごろに本作は製作されたが、現在彼は音楽活動を行っていない。曰く「今はギターを触っても何も産まれない」らしい。 Jolt! Recordings/Klan Aileenの澁谷亮が最も影響を受けた天才と呼ぶ、知られざる宅録作家の秘蔵音源集。 Jolt! Recordingsの作品としては少々異色なドリームポップ性の強い内容で、Z Tapesのリスナーも要チェック。 This work was made in 2007 by a home recording artist born in 1987 named Takahiko Izumi, aka The Octopus, but he is currently not active in music. According to him, "Nothing will come out of me even if I touch the guitar now." Jolt! Recordings/Klan Aileen's Ryo Shibuya calls him the genius who influenced him the most. Z Tapes listeners should also check it out. 1.Fossil Song 2.Hello Mr. Sunshine 3.Danae 4.Ghost In My Life 5.11.2km/s 6.Realm Of Unreal 7.Dissolve 8.In The Bathroom 9.In To Deep 10.Last Song ------ The Octopusこと和泉雄彦(いずみたかひこ)は1987年生まれの宅録作家である。 今回リリースするアルバム『Octopus Tapes』は彼が2007年にギターと自作のアナログシンセ、ZOOMのMTRを使い1人で制作した作品だ。 その音楽はThe Velvet Undergroundを水色にしたように彩られ、Dinosaur Jr.のような倦怠感で、Deerhunterの双子のような横顔を持ち、King Krule(というよりもZoo Kid)にシンパシーする。 淡いサイケデリアを携えた『Octopus Tapes』の曲群は時代性が無く無邪気で、遊び相手のいない砂場で屈託無く笑っているようなピュアネスを宿している。 その証拠に、彼はクラシック音楽をルーツに持ちながらもギターコードを1つも知らず、ただ響きを頼りにコードを手繰り、「2、3時間ギターを弾いていたら自然と2、3曲出来た」と言う。 「エレキギターの良いところはエフェクターで音を変えられるところ」と楽しそうに語る彼の趣向は同時に発表された「半夏生」と共に音のテクスチャーへと反映されている。(インフォより一部引用) Ltd.88 Turquoise Cassette Edition. ダウンロードコード付き。 1.Fossil Song 2.Hello Mr. Sunshine 3.Danae 4.Ghost In My Life 5.11.2km/s 6.Realm Of Unreal 7.Dissolve 8.In The Bathroom 9.In To Deep 10.Last Song https://theoctopus0414.bandcamp.com Jolt! Recordings(Japan) 2021年4月リリース
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OKS - S/T
¥1,500
君島結(Tsubame Studio)、岡田了(EXTRUDERS)、澁谷亮(Klan Aileen)の三者による邂逅を記録した音源。リスナーがドローンとリフの合間を彷徨う中、漆黒のファズギターが並走しては消え、存在すら感じられなかったドラムが突如天啓のように一閃する。極めて抑制された世界だが、この質感には紛れもないKing Crimson以来のロックに漂う血生臭さと、年齢もルーツも違うこの三者の間で受け継がれる東京の即興音楽シーンの命脈が確かに感じられる。 This is a recording of an encounter between Yui Kimijima (Tsubame Studio), Ryo Okada (EXTRUDERS), and Ryo Shibuya (Klan Aileen). As the listener wanders between drones and riffs, jet-black fuzz guitars run alongside and then disappear, and drums that were not even present suddenly flash like a revelation. It's an extremely restrained world, but the texture has the unmistakable bloodiness of rock music since King Crimson, and the lifeblood of Tokyo's improvised music scene, passed down between these three musicians of different ages and roots, can certainly be felt. 1.Song 1 2.Song 2 3.Song 3 4.Song 4 ----- 2019年12月、熱海のとあるプライベートスタジオにEXTRUDERSの岡田了、Klan Aileenの澁谷亮、ツバメスタジオのエンジニアである君島結の3人が集まり作られた音源がこの『OKS』である。 EXTRUDERSでの活動と並行して、ドローンアンビエント奏者としての顔も持つ岡田了は、ギターのテクスチャーコントロールと音場作りに関して卓越したセンスを持っており、Klan Aileen というデュオで、言わばギターとベースの二役を担っている澁谷亮は、独特のバランス感覚を持ってベース的なギターを引くギタリストである。そして現在レコーディングエンジニアとしてツバメスタジオを運営する君島結はそのキャリアをドラマーとしてスタートさせたマルチインストゥルメンタリストでもあり、ノイズ、実験音楽にも造詣が深い。 果たしてその三人が集まりどのような音楽を作ったのか、麻原猿女氏によるライナーノーツから引用すると、"まるでドローンからファズギターへと、ギターが楽器としてのその輪郭をバンドアンサンブルのなかで思い出していくよう” であり、”なぜかこの音楽は、全体を通して強い形でアンサンブルへと解決していか” ず、”エクスペリメンタル(アンチ・アンサンブル)になり切ってしまうのでもなく、ロック(アンサンブル)になり切ってしまうのでもない。ロックの向こう、それか、エクスペリメンタルの手前、そのような地点でこのセッションは執り行われ”、”アンチ・アンサンブル的関係性” を持った音楽ということである。それは以下のような情景のサウンドトラックとしてはうってつけだろう。 "冬の熱海で録音を終えた三人は避暑地から散り散りになっていく。しめやかに執り行われる逢い引きを遂行し、舞台を無言で去る。しかし寒空の下で霧散するまでのわずかばりの時間に棲息するある秘密がある。その秘密は全く続きがなく、全くの無駄で終わることによって維持され伝達される。ギタリストとドラマーのあいだのさりげない目配せ、極薄のコミュニケーション、細やかに配置される媚態、ドラムのテンション、エフェクターのつまみの塩梅、触れるか触れないかのあいだで身体をなぞる指先、それらの密やかな技法。"(ライナーノーツより) Ltd.77 Red Cassette.ダウンロードコード付き。 麻原猿女によるライナーノーツ(約3,000字)を収めた文庫サイズのブックレット付録。 1.Song 1 2.Song 2 3.Song 3 4.Song 4 https://oksoks.bandcamp.com Jolt! Recordings(Japan) 2021年3月リリース